離型剤の多量塗布から極少量塗布へ
ルブローレンは2004年に原液塗布型離型剤離型剤「WFR series」を発表しました。
従来までの水溶性離型剤と違い、「WFR series」は、高温の金型でもライデンフロスト現象の影響を受けにくく、付着効率にも優れるため、極少量塗布を可能にしました。
しかし、少量過ぎるが故に「離型剤付着の有無の判別」が問題となります。
そこで着目したのが、離型剤に蛍光剤を添加し、ブラックライト(UVライト)で照射することでの“付着の可視化”です。
WFR seriesの全商品は、UVライトを照射することでスプレーポイントのチェックが可能です。
付着効率が良いからできた皮膜厚さの測定
「WFR series」は、極少量塗布のため飛散によるロスも少なく、またライデンフロスト現象の影響を受けにくいため、あらゆる温度域において水溶性離型剤の数100~1000分の1の塗布量での鋳造を可能にします。
多く厚く付着する「WFR series」の離型皮膜は、レーザー顕微鏡を用いることで、今まで想定しかできなかった厚みの測定を実現させました。
離型皮膜厚さの測定は、研究の幅を一気に拡げ、摩擦試験機と連動し、より実機に近いデータ収集を可能にしました。
光る離型剤だからできた実機での膜厚測定
ラボで測れるなら実機で測りたい。
「WFR series」が有した二つの特徴
①金型にUVライトを照射することで付着の可視化が可能。
②レーザー顕微鏡によるラボでの膜厚測定が可能。
これに蛍光量測定装置を組み合わせることで、実機での離型皮膜厚さの測定が実現できました。
ただし、現状では蛍光剤が230℃以上の温度では発光することができないため、金型が高温の領域では測定ができません。
しかし、近い将来すべての温度域での膜厚測定ができると信じ、これからも終わりなき研究と探求は続きます。